食からアプローチするパレスチナ

 先月某パレスチナ・イベントでパレスチナ菓子を初めて作り、販売する機会がありました。アラブ圏のお菓子なので、ある程度は想像の範囲内ではありましたが、マグレブ地方のお菓子にはあまり使わないフェヌグリークやニゲラシードの独特な甘い香りと苦みの絶妙さが新たな発見でした。

そのイベントでは他の出店者様が作ったパレスチナ料理の提供もあり、それがまた想像をはるかに上回る美味さで、一気に幸福度アップ。パレスチナに何かしら関心があって会場に足を運んでくれた皆さんが「美味しい!」と言いながら和まれていて、食は簡単に国境を越えてしまうのだなぁと改めて感じたのでした。

イベントで食べたパレスチナの炊き込みご飯(マクルーバ)

 日々悪化している中東情勢を目にすると、パレスチナへのイメージはネガティブになるばかり。今はSNSでリアルタイムに悲惨な映像が流れてくるので目を逸らしてしまうことも。現地は食糧すらまともに手に入らない状況の中、遠く離れた私達がパレスチナ菓子を食べて応援することが果たしてどれだけの支援に繋がるのか…、と複雑な気持ちにもなりました。

私達はつい「自分たちにできることはない・・・」と思いがちですが、小さいけれど前向きな選択、小さなアクションが繋がり広がっていけば理不尽な仕打ちに立ち向かうことを諦めない勇気になるかもしれない。

今、自分ができることは美味しいパレスチナ菓子を作り、食べてもらうこと。その収益の一部を寄付すること。ほんのわずかな微力(いや、無力かもしれない…)ですが、違う角度からパレスチナを知ってもらい、それがきっかけとなって心を寄せてもらえたら…と、日本でアラブ菓子を作る私の勝手な使命感。きっと美味しいものにはそんな力があるはず、と信じて。

11/16(土)ChezOumHさんのアラブ菓子・パレスチナ菓子入荷します。

ChezOumH~シェ・ウム・アッシュ
アラブ圏、主にアルジェリア、チュニジア、モロッコなどのマグレブ地方を中心としたアラブ菓子を作っています。アラブの象徴的ドライフルーツのデーツ(ナツメヤシの実)はもちろん、アーモンド、胡桃、ココナッツ、ピスタチオなどのナッツ類を贅沢に使い、ローズやオレンジのフラワーエッセンスや各種スパイスを加えたエキゾチックなお菓子をお届けします。