オリンピックが終わりましたね。

今回のオリンピックのスローガンである
「Faster, Higher, Stronger, Together」

この「Together」が皮肉に感じられるほど、
分断や精神的な距離を感じた今回のオリンピック。

現在の日本の混迷ぶりや
不甲斐なさを改めて突きつけられた気がしています。

でも、その一方で、選手やボランティアの皆様の活躍は
本当に素晴らしかったですし、力をもらいました。

心からの拍手と敬意を捧げます。

そして、同時にヨガの教えの「Tapas(タパス)」の
大切さを思い出させてもらいました。

オリンピックの選手たちの姿を見ていると、
この「Tapas(タパス)」という
ヨガの言葉がピッタリなのです。

「Tapas(タパス)」とは直訳すると
「燃やす、焼く、熱を作り出す」ということ。

ヨガの本などでは「苦行」と
荒々しい言葉で訳されていたりしますが、

火の上を歩いたり、
針の上に座ったりする苦行のことではなく、
「情熱を持って何かに取り組むこと」と
捉えるのが分かりやすいかもしれません。

金を熱して、純度を上げていくように、
不純物を燃やして、
純度を高めて、
強くしていくこと。

そんな風に情熱をもって、何かに取り組んで、
自己鍛錬することにより、
身体と心の不純物を取り除き、
自分自身を高めていくことが出来るのだと言われています。

このタパスには肉体的なものと
精神的なものの二つがあります。

肉体的にはヨガアサナをして体を鍛え、
浄化法や断食で体内の不要なものをなくしていくこと。

精神的には煩悩や迷いを打ち消しながら、
難しいこと、困難なことに立ち向かっていくこと。

それには瞑想や呼吸法が役立ちます。

そのように肉体、精神の両面から、
タパスを実践していくのですが、
オリンピックのアスリートの方々は、
この言葉は知らずとも
タパスを実践できているのではないかと思います。

今回はコロナ渦で延期したり、
開催が危ぶまれたり、
思うように練習もできなかったと想像します。

そんな過酷な中でもモチベーションをコントロールしながら、
出場した選手たちは、
メダルの色や順位以上に
大きな何かを手に入れることができたはずです。

ヨガのプラクティス以外でも、私たちの日常にタパスを取り入れることはいくらでも可能です。

早起きして、瞑想の時間を取ってみたり、
一日50ページずつ読書したり、
毎日自分からの挨拶を心がけてみたり。

小さなことからでいいのです。

大切なのは、タパスの実践の途中で生まれてくる、
自分自身の弱さに気づき、
それに立ち向かっていく強さを築いていくことです。

そして、続けること。

2021年の暑い夏。

自分の気持ちも熱くしながら、タパスを実践してみてくださいね。

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柳原 愛

ヨガアライアンス認定 RYT 500 ヨガインストラクター
日本ヨガメディカル協会認定 ヨガセラピスト

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