猟師の肉は腐らない (o)

  • 693円(税込)
猟師の肉は腐らない
著 小泉武夫
新潮文庫


タイトルの猟師の肉は腐らないは
登場人物の義っしゃんが撃った猪肉を塩まぶして
きつい縄で縛って囲炉裏の上で3ヶ月燻せば冷蔵庫要らずという

茨城県と福島県の県境矢祭の山奥で
自給自足で暮らす義っしゃんの愉快な暮らしが抱腹絶倒
そして小泉武夫さんと出会い、
二度にわたり訪ねて行った際の高揚感が文章に滲み出ていてとにかく面白い

冬のどじょうを捕りに行く
薄氷が張った田んぼに鍬を入れ、ひと塊りの土を掘り出すと冬眠してるどじょう集まっている
それも先人の知恵で秋に5.6枚ある田んぼの一番下の田んぼで冬眠するように仕掛けとくようで
天然のどじょうの生簀?のようだ
冬になると動物からのタンパク質が不足するからと冬眠に入ったばかしの丸々肥えたどじょうが「味も豊がでよ」と
こんな面白い事が八溝弁と阿武隈弁のごっちゃ混ぜ語が聞こえてくるかのように次から次に飛び出す
それを誰よりも喜ぶ小泉さんの文章が踊っている

こんな暮らししたいなあという事も勿論だがこんな出会いがしたいなあと思う。
人と人の間にあるもの、アナログ最高という本です (清水)